でっきぶらし(News Paper)

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40号(1984年07月)4ページ

幼児動物教室 ◎仕事として

 こうして幼児動物教室は、作業の一環の中にがっちりと組みこまれ、子供動物園は単に触れ易い、親しみ易い動物が置いてあるだけでなく、それらの動物を使っての社会教育を実践する場となりました。
 当初の1時間半は長すぎるということで、翌年47年の秋頃より1時間に縮められ、逆に回数は午前中2回に増やされました。時には、午後にも行なわれたこともあったそうです。しかし、それも動物の飼育種数が増えるにしたがって、次第に過重となり、53年の秋頃より1回に減らされました。が、決して幼児動物教室の灯は消えることはなく、今日に至っています。
 それでは、その間の実施内容はどうだったのでしょう。13年の間に関わった飼育係も14名に及びます。それぞれのやり方も微妙に違いました。その変遷を追ってみましょう。
 
・47年
(1)ウサギ、チンパンジー、オランウータンに触れ、抱く。
(2)アヒルゲーム。
(3)ロバ試乗
(4)餌を与える。
(5)ゾウに乗る。(10月以降一時中止)
(6)ウサギとカメの競争。
(7)チンパンジーの演芸見学。(10月以降一時中止)
(8)動物の皮膚の違い。インドニシキヘビ、インドゾウ、ウサギ。
(9)サルのホオ袋。(ブタオザルにペレットを与えてホオ袋に入れるところを観察させた。)
 
・48年
(1)ウサギ、ヒヨコ、カメに触れ、抱く。
(2)ロバに試乗。
(3)動物に餌を与える。インドゾウ、ヤギ。
(4)クマの子に触れる。
(5)インドニシキヘビに触れる。
(6)動物の鳴き声を聞く。
(7)インドゾウの演芸を見学。

・49年
(1)ウサギ、ヒヨコ、カメに触れ、抱く。
(2)ロバに試乗。
(3)動物に餌を与える。インドゾウ、ロバ、ヤギ
(4)インドニシキヘビに触れる。
(5)動物の鳴き声を聞く。
(6)子供動物園内見学。
 9月6日以降、インドゾウの参加は中止し、他の項目は続けて実施した。

・50年〜53年
(1)子供動物園内見学。
(2)ポニー試乗。
(3)ウサギ、カメ、インドニシキヘビに触れ、抱く。
(4)餌を与える。ヤギ
(5)動物の鳴き声を聞く。
 
・54年〜56年
(1)ポニー試乗。
(2)ウサギ、ヒヨコ、インドニシキヘビに触れ抱く。
(3)オランウータン(ユミ)に触れ、握手。
(4)餌を与える。ヤギ、テンジクネズミ
(5)動物の鳴き声クイズ。
 56年5〜6月、オランウータン(ユミ)一時休む。

・57年〜
(1)実施上の注意と動物園の出来事を話す。
(2)ポニー試乗。
(3)ウサギ、テンジクネズミ、インドニシキヘビ、ヒヨコに触れ、抱く。
(4)オランウータン(ケン)に触れ、握手。
(5)餌を与える。ヤギ、テンジクネズミ
(6)鳴き声クイズ(ゾウ、ライオン、オウム、アシカ、ロバ、アヒル、ヤギ、ダチョウ、チンパンジー)
(7)終わりの注意。特に餌あげ。ニシキヘビについて。
 58年4月以降、オランウータン休む。
 59年より、ハリネズミが参加。

 基本的にはそう変わっていませんが、少しずつながら変化しているのがわかります。こうした方ほうがいい、ああしたほうがいいと思われることが、工夫を凝らしながら実践を通じて変えられていきました。
 動物もけっこう入れ替わりました。年をとったり、危険が生じたり、あるいは成長が早過ぎて一時的にしか使えなかったりした為です。13年も実施してきているのですから、動物のスターが入れ替わってきているのも当然と言えば当然かもしれません。
 次に、それらの幼児動物教室に対して、どれくらいの園、幼児が参加したのでしょう。
 
 当初は、1〜6才までが対象でしたが、47年から48年にかけてが3〜6才、49年以降は6才年長児のみが対象となりました。その合計が右表の数字です。年平均にすれば32園が参加し、ほぼ40回行なわれ、それを受講した園児数はざっと2500名、ということになります。
 数字から見る限りジリ貧傾向にあるようですが、これは対象園児が49年より年長児のみになった為と思われます。参加園は、むしろ増えている傾向にあります。それでもまだ40園そこそこ、県の東部、中部が主な対象といっても、その一部が参加しているに過ぎません。かといって、もっと強く呼びかけたところで、全部どころか半数もこなす力がある訳ではありません。
 今後いかに幼児動物教室を発展させてゆくのか、現状に甘んじまいとすれば、頭の痛い問題になるのは必定です。

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