飼育日誌

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【ブログ】中型サルのお引越し エピソード6

アビシニアコロブス近況①

アビシニアコロブスは、類人猿舎の空き部屋へ移動し、展示を継続することにしました。
以前、ここにはチンパンジーのげんきが暮らしていましたが、
群れに戻ることが出来たため空き部屋になっていました。

引っ越し後はしばらく非公開の寝室と室内展示場を行き来してもらいながら、
新しい環境に慣れてもらいました。
幸い、3頭とも部屋の扉を開けるとすぐに移動してくれたため、
比較的スムーズに作業を行うことができました。


もともと類人猿舎に暮らしていたチンパンジーたちも、当然今までと違う雰囲気に気付いています。
類人猿舎の寝室では、チンパンジーとコロブスは互いに姿は見えないのですが、
姿は見えなくても、気配やにおいで別の動物が来たことをすぐに察知したようです。

実は、類人猿の担当者とコロブスの担当者の間では事前に約束事が決められています。
チンパンジーが寝室から放飼場へ出る時と放飼場から寝室へ戻る時は、
コロブス担当者は類人猿舎に立ち入らない(コロブスの作業を行わない)ことになっています。
これは、少しでもチンパンジー達が気にしないように、
いつも通り出舎・入舎ができるようにという配慮です。

そのため、朝はチンパンジーたちが全頭放飼場に出てから、
コロブスの担当者が類人猿舎に入り、コロブスを放飼場に出す作業を行っています。
一方夕方は、15時頃にコロブスの担当者が先にコロブスを入舎させ、
放飼場の掃除まで完了させてからチンパンジーの入舎作業を始める、といった具合です。

それでも最初の頃は、チンパンジーたちも周囲を気にしたり、
なかなか寝室へ戻らなくなったり、しばらく担当者を困らせていたことと思います。

コロブスたちがすぐに入舎してくれれば良いのですが、
コロブスたちが「寝室に戻りたくない」「まだ外で遊んでいたい」と入舎してくれないこともあり、
その場合はいったん入舎をあきらめ、
他の動物の作業をしている間に先にチンパンジーたちに入舎してもらいます。
そしてチンパンジーたちが入舎完了したら、またコロブスの入舎に挑むので、
何度も類人猿舎に出向いた日もありました。

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