飼育日誌

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【ブログ】アビシニアコロブス・ピンの出園(前編)

2022年11月22日に日本モンキーセンターへ出園することになったアビシニアコロブスのピン。

10月23日にお別れ会を行い、
11月11日の誕生日には、ささやかに4歳のお誕生日をお祝いしました(写真1)。

展示最終日となった11月20日は、
天気がよくて暖かい日であれば閉園時間まで展示しようと思っていたのですが、あいにくの冷たい雨。

無理をして体調を崩してもいけないのでいつも通り15時頃に入舎させるか…
でも最後のお別れに来てくださっている客様もいるかもしれないし16:30まで放飼場にいてもらうか…。
と色々考えながら15時頃に類人猿舎に向かうと、
雨の中、数名のお客様が最後のお別れに来てくださっていました。

葛藤の末、コロブス本人たちにゆだねることにしました。
ひとまず寝室への扉を開けてみて、コロブスたちが入舎すればそこで本日の展示はおしまい。
もし入舎しないようなら閉園時間まで外にいてもらうことにしました。

お客様にもそのように説明し、入舎の準備を整え扉を開けて様子を見ていると…。
やはり寒かったのか、3頭とも割とスムーズに入舎し、3頭での最後の展示を終えたのでした。


翌11月21日は休園日。
出園にさきだち、ピンも母親クレイオと弟フーとお別れしなければいけません。

出園当日の朝は他の準備などでバタバタするため、
できれば前日までに隔離できたらいいなと思いながらタイミングを伺っていました。

可能な限り動物たちが怖い思いをせず、「あれ?気づいたらピンだけ別の部屋にいる…?」と
動物たちが感じるくらいの状況が理想です。

11月21日は今まで通り3頭で屋外放飼場へ出ました。
ところが9時半過ぎ、類人猿舎前を通りかかった代番者から無線で呼ばれ行ってみると、
フーが屋外放飼場の天井の檻の隙間に頭を突っ込んでいました。

「頭が挟まって抜けなくなっている!?」と慌てて屋上へのぼってかけよると、
自分でスポンと頭を抜き、戻っていきました。
どうやら少し間隔が広くなっていた檻の隙間に頭を突っ込んで遊んでいたようです。
とりあえず無事でなによりでしたが、このままではまた同じことを繰り返して
ケガをしてしまうかもしれないと、3頭にはすぐに室内展示場へ戻ってもらい屋根の修理を行いました。
親子3頭で過ごす最後の日は、予想外にも屋内で過ごすことになりました(写真2)。

後編へ続く

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