飼育日誌

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【ブログ】アビシニアコロブス・ピンの出園(後編)

(前編からのつづき)

出園前日、急遽屋内で過ごすことになったアビシニアコロブス一家。
すぐに頭を切り替えて、ピンをどのタイミングで家族から離すか考えました。

室内展示場はまだ清掃が終わっていないため、
一旦3頭を裏の寝室へ移動させ、夕方また室内展示場へ戻ってもらうことにしました。
この寝室は、類人猿舎へ移動してきた直後に使っていた寝室なので、3頭とも覚えているはずです。
隔離のチャンスは2回。裏の寝室へ移動する時と、夕方寝室から室内展示場へ移動する時です。

裏の寝室へ移動するときには3頭ほぼ同時に移動してきたため、ピンを隔離することはできませんでした。

夕方、室内展示場の方へ戻ってもらおうとシュートを開けると、
フーとクレイオが先に出て、ピンだけが消防ホースの上で様子を伺っていました。
「今しかない!」と思いシュートを閉め、ピン1頭だけ別の部屋に分けることが出来ました。

3頭とも「あれれ?」という感じで、ちょっと緊張していましたが、
無理に追いかけ回したりせずに別居させることができました。

このままピンは裏の寝室で、クレイオとフーは室内展示場で一夜を過ごしました。

翌朝、ピンの寝室を覗くとピンの姿がありません。
「え!?どこ行った?」とよくよく探すと、通路へ続く階段の下に木の枝葉をたくさん持ち込んで、
そこに隠れていたのです(写真1)。やはり一人ぼっちになって心細かったようです。

この日はクレイオとフーも展示はお休み。
ピンは10時過ぎに輸送箱へ入ってもらい、体重は10kgちょうど。
輸送箱を台車に乗せて園内を移動し、お迎えの車が来るまでバックヤード棟で待機しました。
その間にも、副担当者や、前任の担当者(ピンが生まれた当時の担当者)などもお別れに来てくれました。

そして11:25頃、みんなに見送られ、ピンを乗せた車は日本モンキーセンターへ向け出発しました(写真2)。

午後には無事に到着したと連絡があり、翌日にはピンは元気いっぱいだとメールも頂き、一安心しました。暖かい静岡でのんびり育ったピン。犬山は静岡よりも寒いと思うけど、風邪をひかないように元気でね!

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