オランウータン「ジュリー」日記11

昨年の秋頃から、ジュリーとミンピーの同居練習を始めました。
最初は月に1回、ミンピーの発情に合わせて練習を行っていましたが、2頭とも警戒して緊張している様子で、離れて過ごすことが多く接触はほとんどない状態が続きました。

そこでお互いの存在に慣れてもらうため、同居練習の頻度を上げてみることにしました。
今年の1月に入ると、少し慣れてきたミンピーがジュリーに近づくようになり、ジュリーも警戒はするものの、怒ったり追い払うような行動は見られませんでした。また回数を重ねるうちに、同居中にも採食したり休息したりとそれぞれ自分のペースで行動できることが増えていきました。

2月の初めには、初めて友好的な接触がありました。ジュリーがミンピーの手をそっと触ったのです。ミンピーも逃げることなくジュリーの身体を触りに行き、お互いに敵意はない様子でした。
そして2月の終わりには、2頭でじゃれ合って遊ぶ姿が見られるようになりました。
突然遊び始めたので最初は喧嘩しているのかと思いヒヤヒヤしましたが、ミンピーが怖がって逃げる様子はありません。お互いの腕を掴んだり甘噛みしたりしていましたが、ジュリーもちゃんと力加減をわかっているようです。
昨年の春にお見合いを始めた頃、ジュリーがミンピーに威嚇しまくっていた時のことを思うと、2頭で楽しそうにじゃれ合う姿はとても感慨深いものでした。

今後も同居練習を続けていく予定ですが、実施日や時間等については動物の様子を見ながら判断しますので、事前のお知らせはできません。皆様のご理解をお願いいたします。
2頭が一緒にいるところを見かけたら、あたたかく見守ってあげてくださいね。

写真1:ミンピーにそっと触るジュリー
写真2〜4:じゃれ合って遊ぶ姿